初めてのはんこ講座入門編 Vol.04 文字デザインや書体について
初めてのはんこを購入される方向けに
はんこアドバイザーの五代目がはんこについてご説明させてもらいます。
今回は入門編として最後のvol.04です
はんこのデザインについて、題して『はんこのデザイン、文字書体について』です。
この記事の内容
1.はんこって何を彫ってあるのかわからない。
2.デザインする文字は何種類から選べる?
3.実印・銀行印・認印にオススメの文字書体選び。
1.はんこって何を彫ってあるのかわからない
実店舗で接客をしていると聞くことがあります。
『ほら、はんこって何て彫ってあるかわからないでしょ』って
はんこ屋、はんこ職人としては非常に残念です…
しかし、分からない文字を解るように説明していない彫る側にもきっと問題があるでしょう。
作る前にどんな文字(書体)を選べばベストに仕上がるのか聞いてみると良いでしょう。
受取りの際には紙に捺印してもらって自分の名前の構成も含めて
お店の方に聞くことで自分の名前をどのように配置されているのか、または
文字の間違いにも気づくことでしょう。
でも、実際は彫る職人が文字の配置をしっかりと考えて四文字の配置ならば
隣にくる字や下に合わせる字とバランスを調整し大きすぎず小さすぎず考え文字を組み合わせて
オリジナルを制作している。
2.デザインする文字は何種類から選べる?
はんこの書体として基本的な物は6書体あります。
文字の起源から並べると、篆書体(てんしょ)・隷書体(れいしょ)
・行書体(ぎょうしょ)・草書体(そうしょ)・楷書体(かいしょ)・古印体(こいん)以上の6種類。
これらには文字の成り立ちがそれぞれあって
誰が制作したものか作者も存在する場合とそうではない場合に分かれます。
詳しくはまた後日特集を組むこととします。
基本のスタイルを逸脱することも稀にあります。
要望次第ですがどこにも登録しないはんこならばデザインされた曲線だけのはんこもありますし
江戸時代などに流行した花押も手書きのサインですね。
3.実印・銀行印・認印にオススメの文字書体選び。
初めての実印購入をお考えの方向けにお話します。
1.実印に相応しい文字書体。
趣き大切にしたい方や篆書体のスッキリしたところが好きという方もいらっしゃいます。
中国より伝来の文字の起源を参考にするならば『篆書体』(てんしょたい)がオススメです。
しかし、大部分の方が印相体を選択されます。
それは一般的な物を選択されることから
「ごちゃごちゃして、読みにくい字」普通の実印と聞くとデザインは
この印相体になります。印相体(いんそうたい)です。
先に基本的書体として入れなかったのは作者も歴史もないことから書きませんでした。
印相体は発祥が日本、名古屋市周辺と聞いています。
昭和の中頃に幸福をもたらすハンコ・開運・吉相の印章として登場し
生年月日と姓名の画数・九星鑑定を中心に鑑定を行いお名前を配列し彫刻します。
読みにくい文字にはなりますが、
印相体は実印に相応しい書体でしょう。その理由は懐の大きな文字を配置できる事や
太さを調整して読みやすいものにすることも出来るから。
余談ですが、当店(ツルミ印舗)ではお客様の想いをお聞きして彫刻をしています。
例えば、男性の方が結婚をきっかけに実印を作る場合や
女性の方でも苗字ではなく名前で彫刻を希望される際では彫り方も変化をつけて
それぞれの個性や想いに合わせたオーダーメイドの実印を仕上げます。
2.銀行印として相応しい文字書体。
金融機関に登録するはんこ『銀行印』
預金をした場所からお金が流れないように、文字の向きをヨコにする方が多いです。
相応しい文字として『篆書体』か『古印体』がオススメです。
彫刻するお名前に依りますが『篆書体』は趣きを重視し素敵なデザインに仕上がり
『古印体』ならば読みやすい普通の銀行印のスタイルに仕上がります。
3.認印に相応しい文字書体。
認印の使い方は勤務先の会社か、ご家庭で使用される個人向けに大きく分かれます。
今までお話した『篆書体』や『印相体』を選択すると判別がつきにくく
誰が捺印したものか読みにくくなります。
したがってどなたでも判別しやすい様に『古印体』か『楷書体』など
読みやすい物をオススメします。
補足:よくある均一ショップで販売されているはんこ(みとめいん)は
楷書体や行書体が多くシャチハタ製のネーム印(ネーム9)も楷書体を使っています。
いかがでしたでしょうか、
全4話のはんこ講座入門編
1話ーはんことは何か、2話ー印鑑の材質、3話ー朱肉の種類。
を書かせていただきました。
次回は取り扱い編を書いていきます。
もし、疑問・問い合わせありましたらメールで問い合わせしてみてください。
はんこの事なら何とか調べてお答えできるよう頑張ります。
金沢のはんこ屋ー五代目