『はんこは彫り直しが可能か』手彫り問い合わせがあった件

こんにちは、五代目です。
今日はお客様からのいただいた問い合わせの話をします。

先日、ご来店いただいたお客様に
「はんこの彫りなおしは出来るの?」とご質問をいただきました。

象牙のはんこ彫り直し

お客様は、「お嫁に来たときにお母さまからもらった」はんこをお持ちだそうで
長年使っていたらはんこのワク(枠)がいくつか欠けている部分があるし、縁起が悪いよね。

というお話。

他にも、お持込されるはんこの中にはそんな理由のいくつかに

・昔、中国や台湾へ行ったときに買ったお土産で材料があるんだけど・・・
・父の遺品を片付けていたら、はんこが出てきた。

というお話も伺います。
いずれの場合も、彫りなおすか、新しく彫刻ですね。
とお答えします。

再彫刻の場合は、材料が黒い色をしている「黒水牛」か
白い色の「象牙」が彫りなおしにて適しています。

というのも、
はんこの材料の名前を彫ってある部分=彫刻面から数ミリ削って彫り直すので
朱肉の油をよーく吸った“木の材料”=「柘」は
材料全体に、油が回っていることが多いので
新しく彫りなおしても、また欠けてしまうことあるからです。

彫りなおすなら「象牙か水牛」が出来ますね。
象牙の場合も、朱肉の色が材料に着いている場合があります。
例えば、象牙の頂点の部分(材料の一番上のところ)と彫刻面のみ
が、赤色に染まっていたり。全体に赤く朱色かかっていたりします。

どちらの場合も、その色を抜くことはできず
色が着いたままに

彫刻面であれば、
切断しますので少しは見えなくなりますがその分、長さ(丈)が短くなります。

耐久性の変化は、
象牙の場合はほとんど影響がありませんが
黒水牛や牛角(オランダ水牛)は使い方に因りますが
全体に朱肉を吸い上げていれば劣化は考えられます。

彫刻の依頼の前には、
一度拝見してから作業に取り掛かります。

また、中国やインドネシアなどのアジア諸国に旅行で行かれた際に
お土産として石のはんこを購入されるケースがあります。
欠けた虎目石のはんこ

欠けた虎目石のはんこ

この石材は、非常に硬いので手で彫ることができず
機械彫りしか彫れません。。。

手で彫れませんが、彫刻の文字は
版下という紙に手で書いたものを転写(材料に写す)ことが出来るので
オリジナルの文字、手で彫る雰囲気は作ることが出来ます。

しかしあまりオススメしたくないのが「石」のはんこ
高価な割に欠けやすくあまり長持ちしにくい、冷たいイメージがあるので個人的には..
オススメしにくいなぁ

お問い合せはご来店でも、ネットからでもご連絡いただければご対応しますよ。

五代目