役目を終えた印鑑の処分について「印鑑供養」という方法

はんこ、印鑑を使い終えた頃その所有者は亡くなっている事もある。あるいはその立場ではなくなっている事もある。印鑑はその方を現す言わば分身である。その分身を使い終えた頃そっと燃えるゴミとして処分されるのは気が引ける大半の方が机の引き出し奥そこに袋にまとめられて整理されているか暗く閉ざされた金庫で眠っている事だろう。役目を終えたらやはり然るべき場所に戻される、処分する事が気持ちの整理もつくだろう。

毎年10月1日、この日を[はんこの日]と決めて供養しています。石川県金沢市に前田利家公が祀られた尾山神社があります。こちらで50年前から実は供養祭を開催しています。旧石川県印章組合は一年間個店で集めた印鑑を持ち込み神社でお焚き上げしてもらい印鑑に宿る御霊にお祓いを行っています。現在(2024年〜)は印章に感謝する会と名を改め「供養祭」とは言わずに長い間使われていた印章に感謝するお祭りということで感謝祭を行なっています。

お祓いは3名の神主と巫女による神子舞「八乙女舞」の舞があり、本人を証明する証である印章がその役目を終えた事また、日が経ちて朽ち役目を終えた物のその道具への感謝を祝詞にて祈祷。行政における認印の廃止を叫ばれていますが個人的には印章は日本の文化であり最終決断には印をもって決断する物であると信じている。これからも法人印・個人の実印は継続いただき印章業の発展に寄与いただきたいとお話いただく。

印鑑は日本で脈々と受け継ぐ文化。使用頻度は減りつつあるがその役目は変わらず人々の暮らしに役に立っていると感じています。

※供養際にお客様が直接はんこ(印鑑)を持ち込むことは出来ません。ご希望の方は当店へお持ち込みいただくか郵送などでお送りください。

五代目