実印の彫り直しが出来るか見分け方

実印の彫り直しについて最近お問い合わせをいただくので
以前ブログに書いた記事を引用しつつ改めて書いてみます。

はんこの彫りなおしは出来るの? 掲載日:2015年06月04日
https://i-hankoya.co.jp/blog/544

その前にそもそも
欠けている実印は役所に登録することが出来ません。
理由はいくつかありまして、
欠けているのは素材は(材料)がもろくなっているから。
また、欠けている部分が広がれば同一と説明しにくいから。
なので、彫刻面が欠けているものは登録することができません。
また枠の部分(輪郭)が無いものも登録が認められません。

それでは、いま手元にある実印を彫り直し新しい名前を彫れるのか判断基準を解説します。

※注(あくまでも見た目、初見の基準となり実際にご注文の際は改めて確認が必要です)

1.材料が黒いか白い

見た目に黒い物は「黒水牛」水牛のツノであることが多く
また、白い場合は「象牙」のことが多くあります。
水牛も象牙も彫刻は可能。
緑色や透明・赤色などは天然石の可能性があります。
黒水牛・象牙比較

※天然石は手で彫刻する事ができないため彫刻する字は職人の文字を使う事が可能ですが制作は機械を使い彫刻します。

2.水牛には規則的(均一)ではない筋がある。

下記の写真を参考にご覧ください。
◇黒水牛
黒水牛拡大
◇牛角
牛角拡大

3.持ってみてやや冷たい。

天然ものかそうではないかの判断基準です。
アクリル製やプラスチック・ビニールの印材と間違わないチェックでもあります。
象牙は特に冷たさを感じますが、水牛はやや分かりにくいかも知れませんが冷たさを感じます。

使い捨ての歯ブラシやプラスチック製のもの(人工的なもの)は温もりを感じ
石ころなど自然のものは冷たい事が多いです。
(はんこの材料はほとんどが自然由来や動物性)
天然(自然由来)の材料は彫刻が可能。
※アクリル製やプラスチックなど人工の材料は彫り直しが不可

4.はんこの直径サイズが10mmから28mmの中に収まっている。

このサイズ以内ならば丸でも角でも彫刻は出来ます。
彫刻する文字数に制限がありますが大きすぎる場合は別途見積りも必要になります。

以上を書いてみましたが
実際に判断は難しいことと思います。
実際にご注文の際はお問い合わせフォームかお電話にてお問い合わせくださいませ。

◆五代目よりご検討中の方へ
きっとお手元の材料はご家族の形見や想いがあって購入された物と思います。大切に新たな息を吹き込む制作になります故過去の登録や彫り直しても良いか慎重なご決断をお願いします。

こんな注意点もございます。
<この様な材料は注意>
● 朱肉の赤色が材料に広がっている(先端のみ色が付いている)
● 使い始めて40年以上経過している
● 既に欠けている
● 軸部分が曲がっている
● 角型印のカドが緩やかに丸い
上記の材料は一度当店へご持参いただくか、お送りください。
職人が材料を見て制作可能か拝見させてください。

※送料はお客様ご負担とさせていただきます。
送り方は郵便局のレターパックが比較的安く安全に送れます。
輸送の面で気になる方は
宅配便を利用の方が保証も追跡もできるので安心でしょう。

ご依頼の際は事前にお問い合わせフォームかお電話にて
再彫刻の旨をお知らせいただければご案内させてもらいます。

お問い合わせフォーム

五代目